「下落合みどりトラスト基金」

2015年06月29日

IMG_20150629_130920   本日は、百人町4丁目に新しくできた「新宿区立障害者生活支援センター」の内覧に行きました。   ここでは、通所型、宿泊型の自立・生活訓練がそれぞれ行え、短期入所や相談支援もできる、精神障害のある方が自立した生活ができるよう支援する総合施設です。 居室や生活訓練室など見て回りましたが、なかなか居心地の良さそうな作りになっていました。   年々、精神に障害のある方は増えていますが、地域で自立した生活ができるよう、サポートしていきたいと思います。   こちらの落成記念式典・懇親会には出ずに、急いで区役所に戻りました。   午後から、「下落合みどりトラスト基金」の方が、要望書の返答を聞きに行くとのことなので同行しました。   image015[1] ここで、「下落合みどりトラスト基金」の説明を簡単にしておきます。 2004年(平成16)10月、下落合4丁目の通称「たぬきの森」へ建設業者が、明らかに違法と思われる「重層長屋」(実質マンション)の建築を計画。 地域住民は、おとめ山公園から薬王院へと続くグリーンベルトを守るため、新宿区へ買い取りを請願しました。 しかし、新宿区建築課が独断で安全認定を行い当該敷地の価格が高騰、買い取りが困難となり、その後、地域住民は新宿区の購入支援策として「下落合みどりトラスト基金」を設立。 一時は、全国から2億3,500万円の寄付が集まり、区の買い取り価格5億4,000万円と合わせて7億7,500万円に達します。 その間、建設業者との交渉が継続しますが、業者は10億5,000万円からの減額交渉にはいっさい応じませんでした。(のちに購入価格は8億6,000万円で、2億円近くの利ザヤを稼ごうとしていたことが判明します) 一方、地域住民は新宿区建築課の安全認定に対し、新宿区の建築審査会へ審査請求をしますが却下されます。建築課の安全認定と、それにつづく建築確認に対し周辺住民は裁判所へ提訴しました。そして、2009年(平成21)12月17日付けの最高裁判決で、住民側の全面勝訴が確定し、建設工事は完全にストップします。 当然、危険な違法建築物は最高裁判決に沿って、すみやかに解体・撤去されるものと思われました。(建設業者もそのように言明していました)。2010年9月に、建設業者は新宿区に対して損害賠償請求を行いましたが、新宿区が勝訴。 違法建築を放置し解体を進めない業者に対し、新宿区がいつまでたっても指導および解体命令を出さないため、地域住民は新宿区に対し2010年10月、義務付け訴訟を東京地裁へ起こしました。   以上のように、さまざまな経緯や曲折を経て、工事中止となった違法な「重層長屋」の撤去を実現し、目白崖線沿いの豊かなグリーンベルト復元(緑地公園化)をめざして、「下落合みどりトラスト基金」は活動をしています。   本日は、撤去指導の要請や公園化についての進捗など、状況説明を求めました。 「区としても事業者に速やかな対応を求めている。」 「崖線や樹木が残っていない現状だと、公園化は難しい。」 「具体的なタイムスケジュールなどは、事業者が案を出してこないことには行政としては何とも言えない。」 など、色々と聴き取ることができました。   地域の皆さんは、10年以上この問題と戦ってきました。 高齢になった方も多く、早急な解決を図るように、私も全力を尽くします。    

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