寄書き<小野きみ子 前新宿区議会議員>

2014年07月23日

伯母にあたります「小野きみ子」(前新宿区議会議員)からのレポートを掲載します。img_1kuma     「戦前の記憶」 7月14日、衆議院で「集団的自衛権」の集中審議が行われた。民主党からは、海江田代表と岡田副代表が質問に立った。   ところが、安倍総理はケンカ腰で「70年前の事を引き合いに出すとは」と、民主党に不快感をあらわにした。   傍聴していた臨床心理学者の矢幡氏は「質問者の弱点をつく攻撃型と用意した文書を読み上げる官僚型があり、どちらも首相の自己愛から生じている。」と語った。との記事を朝日新聞(7/16)で見つけた。まったく同感です。   憲法9条を変えるのが難しいとなると、96条を変えようとし、それも難しいとなったら解釈を変える…実になげかわしい。       それに比べ、天皇陛下は率直です。7月1日、沖縄の学童疎開船・対馬丸 沈没慰霊の日に同記念館を訪れた際、館長に「護衛艦は救助に向かわなかったのですか?」と質問されたのです。   天皇、皇后両陛下は、沖縄、サイパン、広島、長崎等、慰霊のためにはどこにでも行かれる。しかし、靖国神社にだけは行ったことがない。目と鼻の先にある武道館の慰霊祭にはお出かけになるのに…。安倍総理は、この事をもう一度見比べたらいかがか。       軍が民を見捨てるのは、日本だけではない。ドイツも同じだ。   新聞記者だった私の父は、軍の護衛を乗せた列車が出発するとのニュースを聞きつけ、その列車に客車を一両はめこんで貰うことに成功した。   エルベ川に沿って、チェコに入ったり、出たり、最終的にはバイエルンに戻ったとき、軍隊の姿は消えていた。   私たちは牧場を抜け、森に駆け込んだが、夕方戦火の音が消えているのに気付いて、森からソロソロ出ていった。   すると後からジープが追い越していき、「日本人か?」と訊いた。「そうだ」と答えると驚いた顔で走り去ったが、やがて戻って来て、ジープの先導で小学校の教室に入れられた。   「レーションK」という一食分が丸ごと一箱に納まった軍用食で空腹を満たし、机を並べた上で寝た。「もう夜間爆撃もない」と全員熟睡した。       戦争を知る世代の方々、黙っていないでその体験を大いに語って下さい。      

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