代表質問 登壇2017年09月21日

 

本日は、10時から本会議が開かれました。

 

私は、本日のトップバッターとして登壇しました。

 

今回の質問は、結構な原稿量があったので、少々早口での質問になってしまいました。

 

自画自賛するのも恥ずかしいのですが、中身の濃い質問ができたと思います。

(質問全文は下記)

 

午後に登壇した同会派の志田雄一郎さんの一般質問「複合施設のあり方について」もとても的を射た質問でした。

 

決算委員会が設置され、本日の議会は閉じられました。

 

明日からは決算委員会で詳細を詰めた質疑がなされます。

 

私は委員ではありませんが、しっかりと傍聴していきたいと思います。

 

 

<個人情報を非識別加工情報として民間提供することの是非について>

まず、自治体が個人情報を非識別加工情報として民間活用に供することの是非について、お尋ねします。

我が国の個人情報保護制度では、民間部門、国の行政機関及び独立行政法人等が保有する個人情報に関しては、個人情報保護法や行政機関個人情報保護法等の「法律」により規律されている一方、自治体が保有する個人情報に関しては、個人情報保護法第5条及び11条に基づき、条例により規律されています。

現在の新宿区の個人情報保護条例も、個人情報保護法が平成17年に全面施行されたことに対応して制定されました。個人情報保護条例第1条は、条例の目的として、「区政の適正かつ円滑な運営を図る」こととともに、保有個人情報の開示、訂正および利用停止を請求する権利を明らかにすることにより、「区民の基本的人権を擁護すること」を明記しています。

その後、条例には数度の改正が加えられ、最近も社会保障・税番号制度の導入等に対応した大きな改正がありましたが、新宿区の個人情報保護制度は、「区政の適正かつ円滑な運営」と「区民の基本的人権の擁護」を二つの柱として発展し、運営されてきました。

ところが最近、国の個人情報保護制度には、その根幹に多大な影響を及ぼす変更が加えられ、同時に、新宿区を含む自治体の個人情報保護条例にも同様の変更を加えることが要請されています。

近年のIT技術の飛躍的な発展によりいわゆるビッグデータの収集・分析が可能になった結果、様々な分野において、特に個人の行動や状態に関する情報(いわゆるパーソナルデータ)の利活用が謳われるようになりました。

これを受けて、平成27年、パーソナルデータの利活用の推進を主たる目的とする個人情報保護法の改正がなされました。そこでは、「匿名加工情報」、すなわち「特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元することができないようにしたもの」については、「個人情報」に該当しないものとされ、第三者に提供することが認められています。

国は、パーソナルデータの利活用をさらに推進するため、平成28年には行政機関個人情報保護法等を改正し、また今年の通常国会でも、医療機関が保有する個人の医療情報について、匿名加工したうえで第三者に提供することを可能にする法律を制定しています。

国は、今年5月から、このような、匿名加工した個人情報を民間の第三者に提供する流れを、自治体にも及ぼそうとしています。

具体的には、自治体が保有する個人情報について「新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな生活の実現」に役立つものとしたうえで、官民を通じた匿名加工情報の利活用を図るため、自治体の個人情報保護制度にも、「匿名加工情報」と同趣旨の「非識別加工情報」の仕組みを導入することを求めています。

しかし、いくら「匿名加工情報」や「非識別加工情報」という用語を整備し、言葉の上ではプライバシー侵害が生じないようにしても、個人を識別できないようにする加工が不十分であったり、他の情報と照合して分析するなどして個人情報を復元し、個人を特定することは、技術的には、不可能なことではありません。そして、そのような場合には、多くの個人情報が流出し、取り返しのつかない広範なプライバシー侵害が生じる恐れがあります。

実際、国のパーソナルデータに関する検討会の技術検討ワーキンググループによる報告書でも、個人情報の匿名化に関する技術には限界があり、「匿名化を行っても、個人の特定が不可能になるとは限らない」と認めています。同検討会の座長である宇賀克也・東京大学教授は、その著作において「匿名加工情報が個人情報となるリスクを完全に排除することは不可能」と明言しています。

また、「匿名加工情報」や「非識別加工情報」であれば流通させても安全であるという考え方は一般的ではなく、国が設置した研究会や検討会の報告書でも、「匿名加工情報の制度的な導入は世界でもまれである」と認めています。

それにもかかわらず、医療、教育、福祉、所得に関する税等の住民のデリケートな情報を、住民からの信頼の下で預かり、安全に運用することが求められている地方自治体に対して、個人情報を非識別加工したうえで民間の第三者に提供するよう求める国の姿勢には大いに疑問があります。

新宿区の個人情報保護条例は、今後も、「区政の適正かつ円滑な運営」と「区民の基本的人権の擁護」を柱とすべきであり、「新たな産業の創出」や「活力ある経済社会の実現」などといった抽象的・反射的な利益のために区民の個人情報を危険にさらすべきではありません。

以上を前提として、質問します。

 

まず、国は、個人情報保護条例の改正による「非識別加工情報」の仕組み導入を求めていますが、これはあくまで地方自治法第245条の4第1項に基づく「技術的助言」です。新宿区として、技術的助言に従わず「非識別加工情報」の仕組みを導入しないことは可能でしょうか。また、導入しない場合の不利益があればお聞かせ下さい。

 

次に、「非識別加工情報」の仕組みを導入することにより生じる具体的な懸念について、いくつかお尋ねします。

まず、国は既に個人情報保護条例の改正イメージと称して具体的な改正後の条文を示しています。

そこでは、①自治体がどのような個人情報を保有しているかを「個人情報ファイル簿」で公表し、その利活用に関する民間からの提案の募集をすること、②提案を受けたときには審査を行い、一定の基準を満たせば非識別加工情報の利用に関する契約を締結すること、③非識別加工情報を作成して提供すること、等の詳細が規定されています。

これらの複雑な手続きを整備し遂行するためには、相当の業務及び費用負担が生じますが、情報の提供を受ける第三者からは、非識別加工に要する実費を基準とする料金しか徴収することができません。

その結果、区民の税金を原資とする持ち出しが生じます。

このような区民負担を生じ、かつこれまで指摘してきたプライバシー侵害のリスクを負ってまで、新宿区が「非識別加工情報」の仕組みを導入するメリットについて、「新たな産業の創出」や「活力ある経済社会の実現」などといった抽象的・反射的なものではなく、一人一人の区民の具体的な利益としてどのようなものがあるのでしょうか。

 

次に、「非識別加工」に当たっては、個人の特定や個人情報の復元ができないように、一定の基準に従うものとされていますが、それには専門的知識と高度な技術が必要です。仮に、新宿区が行った非識別加工が基準を満たしておらず、それにより個人の特定がなされた場合には、区民のプライバシー侵害について重大な責任を負うことになります。

区政情報課と情報公開・個人情報保護審議会が担っている現在の新宿区における個人情報保護体制の下で、適切な個人情報の非識別加工は可能でしょうか。

 

三つ目に、国の条例改正案では、「非識別加工」には専門知識と高度な技術が必要であるため、外部の事業者や一部事務組合、広域連合等に委託することが許されており、その場合、大量の「生の個人情報」が外部の第三者に提供されます。

しかし、そこから情報流出した場合、取り返しのつかない広範なプライバシー侵害が生じます。

従って、「非識別加工」に当たっては、新宿区の直接のコントロールが及ばない外部の第三者に委託すべきではありませんが、区の見解をお聞かせください。

 

四つ目に、国が設置した研究会の報告書では、公的部門のパーソナルデータについては、レセプトや診療記録等の個人の医療情報に対し、具体的な利活用のニーズがあることが判明しています。確かに、医療情報のビッグデータとしての利活用には、例えば新たな治療法の確立や薬の副作用情報の精度向上なども期待されるところです。

しかし、医療情報こそもっともセンシティブな情報であり、「個人の特定が不可能になるとは限らない」危険な仕組みの下で民間の第三者に提供し、プライバシー侵害が生じれば、区の責任は重大です。

公共の事業でない利活用に応じるために区民の医療情報を「非識別加工情報」として民間に提供すべきでありませんが、区の見解をお聞かせください。

 

最後に、区民の具体的な利益が見いだせない「非識別加工情報」の仕組みは、まずは他自治体の導入後の成功や失敗事例を十分に研究すべきですが、区の見解をお聞かせください。

 

 

<認知症対策について>

認知症対策について伺います。

厚生労働省の2015年1月の発表によると、日本の認知症患者数は2012年時点で約462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人と推計され「軽度認知障害」も合わせると、高齢者の約4人に1人が認知症あるいはその予備群となります。今後、高齢化がさらに進むにつれ、認知症の患者数がさらに膨らんでいくことは確実です。また、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、認知症患者数は700万人前後に達し、65歳以上の高齢者の約5人に1人を占める見込みです。

「認知症施策推進総合戦略=新オレンジプラン」が出され、約2年以上が経ち、認知症の人を支える制度や偏見を除く取り組みは徐々に進み、徘徊の人を見守るネットワーク作りや認知症カフェなども広がりを見せているところです。

認知症の人と家族の会の調査報告によれば、家族や同居人による高齢者虐待報告1万6千件のうち、6割に認知症があったとのこと。また、介護疲れによる殺人や心中も増加傾向にあるという残念な結果も出ています。

介護負担の重さは、少子高齢化で家族の形が変わった影響がダイレクトに出ており、老々介護が急増していく中、最近では認知症の人が認知症の人をみる認認介護も増えています。そして、より深刻なのは、独り暮らしの認知症の人の増加です。新宿区は、高齢者の独居率が高いので、単純に比率計算しても、大変な数字となることは言うまでもありません。

認知症の人が住み慣れた地域でいきいきと生活ができるよう、区も一層の支援をしながら、思いに寄り添っていく必要があると思いますが、認知症の方には、どのようなサポートが必要であり、今後はどのように支援を広げていくべきなのか、区のお考えをお尋ねしていきます。

 

まず、認知症キッズサポーターの養成について、お聞きします。

高齢者介護施設と地域包括支援センターとの協働で、認知症キッズサポーターの養成など、子どもたちに認知症への理解を深めてもらう活動が全国で広がっています。高齢者や認知症について正しく理解し、地域で見守る役割を担ってもらうことが狙いで、まずは紙芝居や寸劇で認知症の症状や接し方を学びます。

認知症サポーター養成を進める全国キャラバン・メイト連絡協議会によると、2017年3月末までに、学校内の講座などで小学生約73万人、中学生約65万人、高校生約20万人がサポーターとなりました。

こうした子どもを巻き込んだ取り組みには、「認知症高齢者は、世代が離れると良い関係性が見られること」が挙げられる一方、「認知症に関心がなかった親も興味を持つきっかけとなっている」との効果が認められています。もちろん、子ども達の学びにも大きな影響があり、認知症に限らず、年をとることや病気・障害があることへの理解を通じて、子どもたちが他人を受け入れることを知る機会になっています。こうした、子どもにも正しく認知症や病気・障害について、理解を促す取り組みを更に進めていくことが必要だと考えますが、区のご所見をお伺いします。

 

次に、図書館からつながる認知症の支援についてお聞きします。

川崎市宮前区では、「認知症の人にやさしい小さな本棚」と称して、認知症当事者が書いた本から介護保険の解説本まで関連する本を並べ、常設のコーナーを市内の全ての図書館に設置しています。また、こうした取り組みから、図書館で働く職員の大半が病気を正しく理解し、認知症サポーター講座も受講しました。現在では、地元の地域包括支援センターとのつながりもできたことで、「カウンターで同じ質問を繰り返す」「貸出カードを毎回再発行する」など、「おやっ?」と感じた利用者がいたら、相談できる体制も整えられたとのこと。

同様に、宮崎県日向市でも「ちゃんと知れば認知症なんて怖くない」と、誰でも気軽に立ち寄れる図書館を、認知症の人やその家族の支援に活かそうという試みが続けられています。認知症で病院に行くことに抵抗を感じる高齢者へのアプローチを実践しているようです。

また、認知症支援の先進国であるイギリスの図書館では、「回想法キット」と呼ばれる高齢者が若かった頃の街並みの写真や新聞記事、音楽などの資料一式を貸し出す取り組みもあります。

高齢者の居場所にもなっている図書館は、多様な支援の窓口の一つになると言われています。ただし、福祉行政との連携は不可欠であり、縦割り行政を超えた取り組みが求められます。全国的に認知症の人が利用しやすい図書館のあり方を本格的に検討する動きがありますが、教育委員会はどのようにお考えか、お聞かせ下さい。

 

次に、認知症高齢者の介護による生活困窮と介護者の負担軽減についてお聞きします。

年金や財産をめぐるトラブルで目立つのは、認知症でお金の管理ができなくなった時に、親の年金などを職業や収入が不安定な子が使い込むケースとのことです。厚生労働省の調べによると「65歳以上の高齢者と独身の子のみ」で暮らす世帯は15年前から比べると2倍以上に増えているとの数字が出ています。親の介護があり、仕事に就けずに困窮するなど、ストレスを抱えながら認知症の親と同居する子が増えていけば、虐待やお金のトラブルも増えていくことは予想に難くありません。「そうした子の介護負担の軽減はもとより、生活全体を立て直すための支援が重要」と日本高齢者虐待防止学会理事の山田教授は指摘されています。

成年後見人制度により、金銭的なトラブルなどを解決することはできるでしょうが、こうして壊れてしまった人間関係は、なかなかうまく修復できないのが現状です。そうした非常に厳しい状況に追い込まれる前に、認知症の人のみならず、介護者などその周辺についても同様にケアしていくことが必要だと考えます。なかなか表面に出てこない介護者の苦労や悩みを、区はどのようにすくい上げていくおつもりか、お考えをお聞かせ下さい。

 

最後に、若年性認知症へのサポートについて、お伺いします。

認知症は高齢者だけの病気でないことは、皆さんも十分にご承知のことと思います。こうした65歳未満で認知症を発症した場合は、「若年性認知症」と呼ばれています。若年性認知症はアルツハイマー病が多く、とくに40代、50代の働き盛りで起こると老年性の認知症よりも早く進行し、症状も重くなる傾向があります。また仕事や子ども、マイホーム、お金の問題など、高齢者の認知症とは違う現役世代ならではの悩みを抱えるため、手厚いサポートが必要になります。

また、家庭内の多くの役割と介護を、配偶者が一人で負うため、老年期認知症と比較すると介護負担が大きいといわれます。 若年性認知症は、デイサービス・ショートステイ・グループホーム・小規模多機能型居宅介護などの介護保険制度を利用できますが、これらのサービスは、高齢者中心であるため、当事者が馴染まずに帰ってきてしまうことがよくあると聞きます。また、体力もあり徘徊も広くマンツーマンの対応になることや怒ったときには他の利用者に迷惑がかかるなどの理由で、デイサービス等での利用を断られる方がほとんどとのこと。そのため家族が一日中介護をすることになり、へとへとになって共倒れというケースも少なくありません。

まずは、若年性認知症の困難を良く知ってもらうことが肝要であり、その上で支援に厚みをもたせていくことが必要です。区は、若年性認知症の方々やそのご家族をどのようにサポートするのか。各種介護サービスの利用がままならず、家族の介護負担が増大した際にはどのような解決があるのか。区の取り組みをお聞かせ下さい。

 

 

<環境施策について>

次に、環境施策について伺います。

平成30年度から始まる「第三次環境基本計画(案)」が示されました。この計画は平成25年2月に策定された「第二次環境基本計画」と平成23年3月に策定された「新宿区地球温暖化対策指針」を統合して作成されたもので、現在行われているパブリックコメントを経て来年の2月に最終的に決定するものと聞いています。言うまでもなく、この計画はこれからの新宿区の環境施策の進むべき方向を示す重要なものであり、区民や事業者とともに進めていかなくてはなりません。

 

そこでまずお聞きします。「第三次環境基本計画(案)」では計画の進行管理は「PDCAサイクル」を基本とし、目標の達成状況、施策の進捗状況などを定期的に把握・評価し適切に進行管理を行っていくという事になっています。平成29年度までとなっている「第二次環境基本計画」はまだ最終年度の途中でありますが、区長は「第三次環境基本計画(案)」を策定するにあたり「第二次環境基本計画」と「新宿区地球温暖化対策指針」の取り組みと、これまでの進捗状況について、どのように総括し、今後の新宿区が抱える課題をどのようにとらえているのか、お聞かせ下さい。

 

続いて再生可能エネルギー利用の推進について伺います。

今年の5月から7月にかけて朝日新聞社と一橋大学が合同で、全国の市区町村を対象とした再生可能エネルギーに関する実態調査を実施しました。その結果、全国1741市区町村のうち79%にあたる1382自治体から回答があり、そのうち再生エネルギーの利用を推進していると答えた自治体は81%にのぼり、各自治体が「再生可能エネルギーを推進する理由」、「直面している課題」、「求められる政策対応」などが明らかになりました。このように現在、日本各地で脱原発・再生可能エネルギー促進への取り組みがなされています。

そこで、新宿区にもアンケート依頼が来ていることと思いますが、このアンケートに新宿区は回答したのかどうか?また、設問の中に「再生可能エネルギーの利用を推進していますか?」との問いにどのように答えたのか、お聞きします。さらには、このアンケート結果を、どのように捉えられたのか、区長の見解をお聞かせ下さい。

 

また、先のアンケートによると、再生可能エネルギーの利用を推進していると答えた自治体81%のうち、37%の自治体が再生可能エネルギー推進のための条例や計画、要綱を持って取り組んでいるとのことです。この度示された「第三次環境基本計画(案)」を見てみると、「個別目標の中で区有施設への太陽光発電等の再生可能エネルギーの導入に努める」とありますが、平成26年度からの3年間では5施設の設置のみという状況です。平成28年度は、西部公園事務所と愛日小学校の2施設で、どちらも建て替えの際に導入しています。区有施設の数も限りがありますが、既存の施設にも導入可能な施設がまだまだあるように思います。また、米国の国立再生可能エネルギー研究所(NREL)によるとソーラーパネルの変換効率は、20年前の15%から、現在46%にまで上昇し、生産プロセスの改善や規模の経済性により、発電設備の製造コストが大幅に削減されているとのことです。もっと積極的に再生可能エネルギーの利用を推進していくべきと考えますが、太陽光発電設備の研究・検討はどのようになされたのか?また、既存の区有施設を利用しての太陽光発電設備の設置については今後、新宿区として、どのように取り組んでいくつもりなのか、お答え下さい。

 

都心である新宿区には余裕のある土地は無く、大規模な太陽光発電設備を区単独で展開するのは難しいと考えます。世田谷区では「区民の再生可能エネルギー利用率25%」を目標に掲げ、平成26年3月に神奈川県三浦市の区有地(世田谷区立三浦健康学園跡地)に、「世田谷区みうら太陽光発電所」を開設し発電を開始しました。この事業は民間事業者が設置する太陽光発電設備を、区が「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の期間内である20年間賃借し、事業主体として発電を行い、温室効果ガス削減に取り組むとともに、環境施策への活用を図っているとのことです。また、今春からは区外のバイオマス発電や水力発電などの電力も導入したようです。

新宿区では現在、温暖化対策の一環として友好都市である伊那市の協力のもと「新宿の森」事業を行っています。この経験を活かし、伊那市にご協力をお願いしたり、民間事業者と合同で太陽光発電施設を建設するなど、土地の確保が難しい新宿区でも取り組めることがあるのではないでしょうか。そして、区が率先して再生可能エネルギー利用の推進を進めることにより、事業者や区民の先頭に立ち、環境施策を前に進めていくことになると考えます。他自治体との連携について、区長のご見解をお聞きします。

 

 

<保育の質の維持・向上について>

保育の質の維持・向上について、お伺いします。

新宿区では、保育待機児ゼロに向けた取り組みがなされ、着実にその数は減ってきております。また、日経デュアルの自治体調査にて、共働き子育てしやすい街ランキングで1位に輝くなど、高い評価を得ていることは、適正、的確な施策がなされている証拠と言えます。今後も引き続き、たゆまぬご努力をいただき待機児問題解消へ大きく前進していくことに期待しています。

こうした待機児問題が大きく取り扱われる中、各自治体では保育にまつわる様々な問題や課題が指摘されています。先月、さいたま市の認可保育所では、プールにおいて園児の死亡事故が起きてしまいました。3人体制で行なうはずの機材の片付けを2名で行い、子どもから目を離してしまったことが原因とのことで、保育士の配置などに問題がなかったかなど検証が進んでいます。また、本年4月には、兵庫県姫路市で、定員46名に70名を受け入れ、園児の給食のおかずがスプーン1杯しか出ていなかったことなどが、市の抜き打ち特別監査で明らかになり、子ども園の認定が取り消しになりました。しかもここでは、保育士数の水増しで給付金を不正に請求していたり、無届でベビーシッター事業もするなど、多くの問題も発覚し、ニュースなどで大きく扱われました。2月は、横浜市で「土曜日に給食を出している」との虚偽報告していたことが立ち入り検査で分かるなど、不正や子どもへの不適切な対応が次々と発覚しています。こうした事態に、有識者からは「自治体が保育所を増やすことに追われ、質のチェックが甘くなっている」という指摘があります。

では、事故や不正などを防止するためには、どのようなことが必要になるのでしょうか。

2016年中に報告があった保育施設の事故は、死亡事故13件、重大なけがを負った事故が572件と前年から1.5倍に増えたと内閣府は発表しました。ちなみに14年から15年の事故数も倍増とのことでしたので、相当に加速的な数字の上昇といえます。ただし、この調査を行った時点では、認可外施設からの報告は義務ではなく任意ですので、内閣府の担当者は「全ての事故を把握できていない可能性がある」としています。

また、東京都が2012年から2015年に取りまとめたデータによると、認可保育園が自治体の定期監査で、保育士の数が基準を満たしていない時間帯があると指摘される事例が47件ありました。「認可保育所なら質がチェックされているから安心だという信頼感があるが、事前に実施通告する監査でこれだけの数の指摘があること自体驚きだ。」と保育施設の監査に詳しい日本総研の研究員の方がコメントしています。

そうした認可保育所に比べて、届出制の認可外保育施設は、行政の指導や監督が届きにくく、死亡事故などの重大事故発生が多いのも事実です。0から2歳児を受け入れる小規模保育所や夜間や休日保育、一時預かりを提供する認可外施設は、待機児童の受け皿としての需要も高いのが現状です。こうした状況を踏まえ、「認可外でも安全な施設はある。問題のある施設を見抜くには行政が抜き打ち調査も含めた定期的な査察をいかに効果的に行えるかがカギになる。」と内閣府の子ども・子育て会議で提言されています。

経済を優先し、とにかく保育所の数を増やせばいいという発想で、安全が後回しにされているのではと危機感を感じている親御さんはたくさんいます。また、「保育所を開けば利用者はきてくれる」という考えのもと、質の確保を怠る園が増えていると都検証委員会からも報告がされています。行政は、認可園か認可外園かにかかわらず、子どもの命と人権を守る最低限の保育の原則を守るよう、厳しく園を指導していく必要があります。特に、利用希望者の多い0から2歳児はとてもデリケートであり、保育施設にもとても高い専門性と丁寧さが求められます。

多様化するニーズに応え、保育の受け入れ数を増やしていくことに併せて、質の維持・向上を図ることは非常に困難と存じます。しかし、日頃からの保育の質が担保されなければ、重大な事故へのリスクは上がります。また、子どもの命を守るのはもちろんですが、成長を促すために何が必要か、立ち返って考える時期になっています。そこで、区のお考えを伺っていきます。

 

まず、保育施設への指導・検査体制の強化についてお伺いします。施設数が増えれば、その分チェックする手も必要になります。また、定期監査のみならず、抜き打ちによる特別監査の実施も問題やトラブルをあぶりだすのに効果的であることは実証されています。区は、こうした体制をどのように整えていくつもりなのか、お考えをお聞かせ下さい。

 

併せて、待機児の受け皿として、無認可保育施設も一つの行く先とされる中、預ける親御さんが、「無認可でも大丈夫か」との声を多く聞きます。そうした声に応えるため、都も抜き打ち調査などもして、検査・指導の体制をとっていますが、人手不足で3割ほどしか手をつけられないといった状況です。そこで、そうした保護者の不安を解消するため、区も何かしらの手を打つことが必要と考えますし、全ての施設への調査・指導が施されるよう都にしっかり要請していくことも重要です。現在、児童相談所の設置が特別区においても可能となったため、本区もその準備に取り掛かっているところです。この事業移管に伴い、無認可保育施設が国の基準を満たしているかなどのチェックを行なうことになるのですが、そうした検査情報を公開することはいかがでしょうか。大切な子どもを預ける施設がどのような場所か、そうした情報をしっかり知った上で利用したいとの親の声は当たり前です。また、全国無認可保育所連絡協議会の伊藤氏も「多くの認可外保育施設はきちんと運営しているが、劣悪な施設が存在するのも事実。行政は厳しく指導し、施設の様々な情報を公表すべきだ。それによって、その施設の質の向上、ひいては認可外施設全体の質の向上につながる。」とおっしゃられています。チェックのあり方などについて、区はどのようにお考えか、お聞かせ下さい。

 

また、行政の監査がどうしても手薄となれば、日常的に足を運ぶ親や保育士が気づいた点を、行政の担当に伝えて、改善につなげることも手段の一つと考えます。区のこうしたシステムは、いかに機能しているのでしょうか。また、無認可施設についても、相談を受け付けることを周知徹底することで、権限なく手をこまねいていた部分のケアへとつながるものと考えますが、区のご所見をお伺いします。