代表質問で登壇

2020年06月11日

本日は、10時から本会議が開かれました。   昨日に引き続き、代表質問となり、私が登壇。   ①「新型コロナウイルス感染症が区民生活と区財政に与える影響の見通しと区の対応について」 ②「新型コロナウイルス感染症に対する諸施策について」 ③「コロナ禍における学校や学習のあり方と今後について」 ④「複合災害について」 区の考えを聞きました。   マスク着用での質問でしたので、どんな感じになるか心配もありましたが、何とかうまく質問できたものと思います。   全文は以下に掲載します。     <質問全文>   2020年第2回定例会に当たり、立憲民主党・無所属クラブを代表して、区長並びに教育委員会に質問いたします。 戦後最大の感染症により、世界規模で想像を絶する罹患者が出ており、多くの方々がお亡くなりになられました。被害に遭われた方々に心から御冥福をお祈りするとともに、未だ病床に臥されている方々にお見舞いを心より申し上げます。 また、新型コロナウイルス感染症から命を守るため、昼夜を問わず奮闘していただいている医療や保健に携わる皆様、困難な状況下にもかかわらず人々の生活を支えるためにご苦労をなされた皆様、最前線で闘ってこられた全ての方々に心から感謝を申し上げます。 こうした中、新型コロナウイルスの影響で行き場を失った方々に対してビジネスホテルを提供する東京都の事業に関し、新宿区が、都が延長した期限よりも2週間近く前に利用の打ち切りを通知し、利用者を一方的に退出させたとしてメディアでも報じられ問題となっています。 政治の第一の役割は生命と財産を守るということに他ありません。こうしたコロナ禍に対して、地域がどのように立ち向かうのか。住民に身近な自治体ならではの知恵と工夫が求められています。そのためにも、必要に応じて臨時議会を通じて民意を反映しつつ、迅速かつ的確な施策を講じていかなければなりません。区民、行政、議会の皆さんと共に、私どもも全力を傾けて取り組んでいくことを改めて申し上げ、これより質問に入らせていただきます。   ①「新型コロナウイルス感染症が区民生活と区財政に与える影響の見通しと区の対応について」質問します。 新型コロナウイルス感染症により、新宿区でも450名を超える感染者が確認され、区民生活や区内事業者の営業に大きな影を落としています。国による緊急事態宣言は解除されたものの、この間の経済活動の停滞は今後も区民生活にマイナスの影響を与え続け、また第二波と呼ばれる次の感染拡大も予想されており、新型コロナウイルスの影響は当面の間止みそうにありません。 そこで、新型コロナウイルス感染症が区民生活と新宿区財政に与える影響の見通しと区の対応について質問します。    第一に、新型コロナウイルス感染症が歳出に与える影響についてお尋ねします。 新宿区では、新型コロナウイルスの影響に対応するため、第1回定例会において補正予算を成立させ、また4月には区長専決によっても補正予算を編成しました。そこでは、国の事業である特別定額給付金や子育て世帯臨時特例給付金だけでなく、区の独自事業として、商工業緊急資金利子補給及び貸付信用保証料補助の拡充に約12億7000万円、さらに店舗等家賃減額助成に約12億1300万円が計上されています。 こうした区の独自施策がどの程度区内事業者に活用されているのか、①今年度の商工業緊急資金利子補給及び貸付信用保証料補助を活用した融資の実績、並びに②店舗等家賃減額助成の執行状況をお聞かせください。 このうち店舗等家賃減額助成については、区民生活や区内事業者の営業に様々な影響が生じている中、特に店舗等家賃減額助成を行うこととした理由、また専決処分での補正予算とした理由をお聞かせください。 なお、この事業には、賃貸人の側で家賃減額に応じなければ賃借人が助成による支援を受けられないという問題があります。また国の第2次補正予算において賃借人を対象とする家賃支援給付金制度が創設されると、二つの制度の適用順序によって受けられる支援の全体額が変わってくるようにも思われます。こうしたことから、区でも助成対象を賃借人に変更することを検討すべきではないかとも思われますが、ご見解をお聞かせください。 また、現在、国や東京都等からも様々な給付金・助成金等が出されていますが、それらの要件や申請手続が煩雑であり利用しにくいとの声を多くの事業者からうかがいます。税理士、社会保険労務士や行政書士などの専門家がこうした手続きをサポートすることで、多くの区内事業者が救われると考えます。区において、これら専門家の活用を検討してはいかがでしょうか。 なお、4月補正予算による区独自事業は主に区内事業者向けの施策でしたが、区民生活全体では他にも新型コロナウイルスの影響を受けている分野が多くみられます。 この間、私どもの会派では多くの区民・事業者や区内団体からいただいたご意見をもとに区に対して施策の要望を行ってきており、この代表質問でもそのうちの一部について再度お尋ねする予定ですが、新宿区では、区民生活及び区内事業者の営業にどういったマイナスの影響が生じていると把握しており、それらに対して今後どのような支援策が必要と考えているのか、認識をお聞かせください。 次に、新型コロナウイルス感染拡大が国民健康保険、介護保険及び後期高齢者医療保険の各特別会計の歳出に与える影響見込みについて、どのように把握しているのかお聞かせください。もし影響の規模について不透明であれば、どのような影響要素があると認識しているのかお聞かせください。   第二に、特別区税徴収猶予の特例による影響についてお尋ねします。 区では、先月から特別区税等の猶予の特例制度を設けていますが、今年度に入って現時点までのこれらの問い合わせ件数、徴収猶予の特例件数及び額をお聞かせください。また、これらの実績から今年度を通じた徴収猶予額の見込みが分かればお聞かせください。 また、今回徴収猶予を受けた方の中には、猶予期間満了後に支払うことができない方も一定数生じることが予想されます。そうした方に対する対応の方針と、それが区財政にどのような影響を与えるのか、さらに財務上の処理方法(未収金のままにしておくのか、何らかの基準を設けて債権放棄等の整理を行うのか)について、区のお考えをお聞かせください。 こうした徴収猶予のみならず、経済環境の悪化を反映して区の歳入全体が減少することが予想されますが、新宿区における減収対策として現時点で考えられる方策があればお聞かせください。 また、財政調整基金については、6月補正までで83億円以上を取り崩しています。リーマンショック時の21年度及び22年度は50億円ずつを取り崩した実績がありますが、今後どこまでの取り崩しを行う考えがあるかお聞かせください。   第三に、次年度以降の財政への影響についてお尋ねします。 新型コロナウイルス感染拡大の影響が、新宿区財政にどのような規模で歳出増、歳入減につながるかは不透明であるかもしれませんが、どのような要素が影響を及ぼすことになるのか、区の考えをお聞かせください。 そして、次年度の予算案編成の方針は9月初旬までに決定するのが通例ですが、区民生活や区内事業者の不安が続く中、来年度予算案編成に当たっての基本方針は今後どのような点を重視して策定するのかお聞かせください。 この点に関連し、今年予定されていたオリンピック・パラリンピックについては来年に延期されたものの、国内外での新型コロナウイルスの感染拡大状況やワクチンや治療薬の開発・普及に要する時間を勘案すると、来年の開催は困難であるとの見方も有力です。こうした社会状況の中では、イベントや観光施策よりも区民生活を重視した予算編成が望まれ、これまでと同様に機運醸成イベントなどのオリンピック・パラリンピック関連事業への予算付けを行うことは控えるべきではないかとも思われます。区の見解をお聞かせください。    第四に、今後の中長期的な施策展開についてお尋ねします。 現在、新型コロナウイルスの影響を受けた区内中小事業者の多くが国や自治体の制度融資を活用した借入れを行っています。これは当面の資金繰りに必要な借入れですが、運転資金として消化されてしまい、設備投資や業容拡大などの積極目的での負債と異なり、新たな資産が生じるものではないので、過剰債務としてバランスシートを悪化させ、新規借入を阻害し、中長期的には事業者の経営を圧迫する可能性があります。 新宿区として、区内中小事業者が抱えるこのような問題についてどのような認識を持っているのか、またこれを改善するために必要な国の施策についてどのような考えを持っているのか、お聞かせください。 最後に、新型コロナウイルスが区民や区内事業者に与えた影響、また今後与えるおそれのある影響については、区において的確に把握し、適切な支援策を講じていくことが大切です。そのためには、区民や区内事業者を対象とする実態把握が必要と考えますが、保健分野での保健所による調査、産業分野での産業振興課による景況調査だけでなく、区民の暮らし向きを丁寧にくみ取るためにも、毎年7月に行われる区民意識調査などの機会も捉えて行う必要があります。 今後、こうした実態調査について、区としてどのような方針を持っているのかお聞かせください。     ②「新型コロナウイルス感染症に対する諸施策について」質問します。 この項の質問では、区民、事業者や各種団体からご相談やご要望を受け、意見聴取を行ってきたことの中から四点に渡って質問致します。   一点目に保育園の新入園児保護者の育児休業延長についてです。 23区のほとんどの区が、四月からの認可保育園の入園が内定した状態のまま育児休業の延長を可能とする措置をとっています。今回の新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う措置として本区では9月1日まで育児休業延長を可能としていますが、五月の常任委員会の報告によれば、育児休業から復帰予定の1180人のうち五月に延期した方が237人、六月が373人、合わせて610人の方がこの制度を利用し、家庭において育児を行っているとのことです。 各区が育児休業の延長の決定を行ってから、緊急事態宣言が5月31日まで延長され、感染が拡大している状況を受けて、さらに育児休業延長の措置を行う区が出てきました。目黒区、練馬区が7月31日まで、中野区、豊島区が8月1日まで、足立区、葛飾区が10月1日までそれぞれ延長を決めています。 今後、感染の第二波、第三波が押し寄せ、再び緊急事態宣言が発令されることを心配する声も多く、区が早急に決断しなければ職場との調整がうまく出来なくなる方もいると思います。 そこで本区としては新入園児保護者の育児休業延長について今後の感染の状況を見極めながら小出しに判断するのではなく、思い切って今年度中の延長については内定を維持出来る措置を取るべきです。これまでにも登園日数に応じて保育料の減免を行うなどの対応をされましたが、もう一歩育児休業延長について保護者に寄り添った対応をすべきと思いますが、如何でしょうか?   二点目にDV被害、児童虐待についてです。 新型コロナウイルス感染拡大により、外出自粛で家族が一緒にいる時間が増える中、経済的、精神的負荷等を原因とするDVや児童虐待の深刻化が懸念されます。 内閣府は被害者の相談体制を拡充し、対応を強化するため、補正予算案に1億5千万円を計上しました。立場の弱い配偶者や子どもに暴力の矛先が向かうことを何としても止めなくてはなりません。社会状況が不安定になるとDVや虐待が増える傾向にあります。こうしたことは以前、阪神淡路大震災や東日本大震災の後に多数発生しました。本年四月に各地の配偶者暴力相談支援センターに寄せられたDVの被害相談は13272件で、一年前と比較すると約1.3倍にも上昇しました。しかし、現在の状況では感染防止のために相談機関の面談を中止するなど、従来通りの支援が難しい自治体もあるようです。また、暴力をふるう加害者が在宅していて電話相談も出来ず、連絡が途絶えた被害者もいるようです。 休日や夜間に窓口の設置を急ぐ自治体もあるようですが、加害者が在宅していれば助けを求める連絡をしづらい状況は変わりません。仮に相談出来たとしても、これは第一歩であり、加害者から避難し、身の安全を守ることの出来る場所の確保も求められます。 このようにDVや児童虐待を未然に防ぎ、また早期発見し、身の安全を守るための必要な措置を講ずるべきですが、本区のDVや児童虐待の相談体制の現状と、被害者の身の安全を守るための取り組みがどのようになっているのかお聞かせ下さい。   三点目に地域医療を守るための支援策についてです。 地域の病院や診療所は休業や業務の自粛要請の対象外となっているため、各種補償等はほとんど適用されません。今回の緊急事態宣言発出以降、多くの医療機関が経済的なダメージを受け、「この状態が続けば閉院も考えざるを得ない」という悲痛な叫び声が聞こえてきます。 外出自粛や感染リスクを避けるために受診を控える患者が増え、オンライン診療が可能になったとはいえ、すべての患者に対応は出来ません。また、オンライン診療患者の窓口負担金もすぐに回収出来る医療機関は限られ、未収等も発生しています。診療所の中には、大学病院等からの派遣医師が診療を行っているところがありますが、治療体制や院内感染に伴うマンパワー不足から医師の派遣が出来ず、診療が出来ない状態のところもあります。 さらに医療機関のスタッフも緊急事態宣言による小中学校の休業や保育園の休園により子供を預けることが出来ず、欠勤を余儀なくされ、その結果診療日数や時間を短縮せざるを得なくなってしまいます。また、都心部で賃貸契約により開業している医療機関からは、「毎月の家賃が重い負担となって支払いを減額、猶予、または行政からの賃料補助というような措置を検討してほしい」という切実な声が上がっています。 このようなことが重い負担となり、地域の医療機関の経営が非常に厳しくなっています。 医療機関の経営を健全なものとして本区の地域医療を守るため、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い経済的影響を受けた医療機関に対して支援策を検討すべきと思いますが如何でしょうか?   四点目に新規創業者への支援について伺います。 国は第一次補正予算の中で、新型コロナウイルス感染症拡大により、特に大きな影響を受けている事業者に対し、事業の継続を下支えし、再起の糧となるよう持続化給付金の申請受付を5月1日から開始しました。この中で本年一月以降に創業された事業所等については、給付額を前年の売上高等に基づいて算出するため、給付額の算定根拠の確認が困難として、対象外としました。これには「売り上げが落ちたのはどの店も同じなので不公平」、「創業直後で最も経営が不安定な時期にも関わらず、その上予想し得ない事態が発生したというのに、対象外なのは納得出来ない」など、悲痛に訴える声が相次ぎました。 こうした悲痛な叫びを背景に、先月27日に閣議決定された国の第二次補正予算案では、「持続化給付金の対応強化」ということで、約1兆9400億円が追加され、第一次補正予算で対象外であった一月以降に創業した事業所等も対象となり、今月12日までの予算成立を目指すということです。一日も早く成立し、事業を支える一助となってほしいと思います。 また、自治体においても新規創業者に手を差し伸べる動きが各地で見られます。東京近郊では埼玉県草加市が「草加市創業者向け持続化給付金事業」を開始し、対象者には一律50万円が給付されます。先日、私どものところにも区内在住で、本年一月に広告宣伝事業を創業した個人事業主からメールがあり、一月から三月の売り上げは平均70万円、四月は60万円弱、5月はほぼなしで、アルバイトで行っていたイベント警備の仕事も三月以降無くなり、このままでは日々の生活が立ち行かないと窮状を訴えておりました。第二次補正予算案において新規創業者もこの対象となり、早期の予算成立が待たれるところですが、草加市のように独自の事業において、ただでさえ創業間もない経営が最も不安定な時期に加え、今回の新型コロナウイルスによる危機的な状況にある事業所等を区としてもしっかりと支える施策を検討すべきと思います、如何お考えでしょうか?     ③「コロナ禍における学校や学習のあり方と今後について」質問します。 まず、「学校再開について」伺います。 文部科学省から5月22日、「学校の新しい生活様式」とした衛生管理マニュアルが通知されました。これは、地域の感染リスクを3段階に分けて、距離の取り方、実施できる教科活動や部活動などが示されています。 現在、区内の公立小中学校では、このマニュアルを基に、登校時の検温、1時間おきの換気、マスク着用、間隔をとった着席などが実施されています。今後は、各席や教壇にビニールの間仕切りが設置されるなど、感染防止策を強化していくとのこと。 こうした努力と経験値を積み重ねながら、6月から分散登校、2週間の経過観察をもって通常登校へと段階を経ながら再開を進めていく予定と伺いました。 また、コロナ禍による授業の遅れをどのように取り戻すかについても、文部科学省から基本的な考え方として、「積み残した学習内容を次年度以降に繰り越すことも可能」と柔軟な運用も示されました。ただ、ここでは繰越の利かない最終学年への対応が問題となっており、短期間の間に解決を図らなくてはなりません。 全体的な方策としては、新宿区では「夏休みの短縮」、「土曜授業」の実施を予定し、学校によっては「7時間授業」も検討していくとのことですが、「真夏の教室で感染症と熱中症の双方に備えることは容易ではない」「過度な詰め込みは子どもの理解の深まりを害する」と所定のコマ数を消化することを目的とする編成を警戒する声も聞こえてきます。 いずれにしても、児童生徒や教員の疲労など環境に十分配慮した上での運営が求められることは言うまでもありません。 そこでお伺いしますが、教育委員会は今後どのように児童生徒に「学びの保障」をし、先ほど申し上げた課題解決をどのように行なっていくおつもりなのか、お聞かせ下さい。 また併せて、第2波、第3波も予想される中、感染者が出た際の学校の対応をどのようにしていくのか、休業する範囲をどのように設定していくのかなど、ご所見を伺います。   次に、「オンライン授業について」伺います。 昨年末、小中学生に1人1台のパソコンやデジタル機器を整備する「GIGAスクール構想」を打ち出した文部科学省は、一斉休校を受け、目標達成の時期を23年度から今年度中に前倒しし、自治体が端末を購入する際に1台につき最大4万5千円を補助することを決定し、東京都ではオンライン学習の環境を整える予算84億円を計上しました。 こうした学校のICT化が進む状況の中、各自治体が負うことになるであろう今後のランニングコストや短期間にデジタル端末をそろえる困難性の問題などに戸惑う自治体も出ていると聞いています。特に、端末の入手では、新型コロナで需要が世界的に高まり、市場が品薄状態となっており、いち早く決断した所のみが課題を解決することができると言われており、この舵取りの責任は一層大きいものとなっています。 また、使いこなす技術も必要で、「ただ端末を配ればよいというものではなく、端末のトラブルや更新の対応をする支援員の配置や教員や生徒への研修が不可欠。」とする現場からの声も挙がっています。 5月11日に文部科学省が全国の教育関係者へネットでライブ配信した呼びかけでは、「休校が長引く中では、オンラインによる授業や朝のホームルームなど、子どもと教師の双方向のやり取りが重要」との説明がありました。 朝日新聞が5月の中旬に行った調査では、学習動画の配信に乗り出す自治体が急増しており、横浜市では4月から教員らで作った約800本の動画が全児童・生徒に配信されています。他方では、杉並、世田谷、渋谷、文京、台東区でも同様の配信が行われ、豊島や練馬区でも準備が進んでいるとのこと。実施を進めている自治体では、「一方通行より双方向を求める」との多くの保護者の声に応えた形で、授業のみならず、テレビ会議システム「ズーム」で毎日顔を合わせるなど児童同士のコミュニケーション維持にも活用しています。「学校の再開後も様々な場面での活用が期待できる。」と早期のICT化の狙いが計画の説明と共に担当者から語られていました。 新宿区では、ICT機器を活用した家庭学習支援を実施するとして、家庭にネットワーク環境の整わない中学生及び小学校5・6年生を対象として、タブレット端末を貸与することになります。中学校から貸与を開始し、令和3年3月までに事業を完了する計画とのこと。 そこでお伺いしますが、第2波、第3波が十分に予想される中、再度休校を余儀なくされる状況は想像に難くありません。そうした状況に備えていくためにも、機器の完備や環境の整備は喫緊の課題と考えます。他自治体に遅れをとり、機器の整備がより困難となれば、その影響は多くの児童生徒が負うことにもなりかねません。児童生徒への早期のICT機器の配布など、対象範囲の拡大や支援内容の拡充など前倒しに行うことが必要と考えますが、教育委員会のご所見をお聞かせ下さい。 また、オンライン学習を取り入れる際、民間事業者と学習履歴などの個人情報が共有されることになりますが、そうした点でどのような取り決めや配慮が必要とお考えか、併せてお伺いします。   最後に、「長期休校時の給食に替わる昼食提供について」伺います。 コロナ禍により学校が長期休校となったことで給食がなくなり、減食、欠食を余儀なくされる児童生徒のことが新聞やニュースで多く取り上げられていました。こうした対策として新宿区では、就学援助を受ける世帯へ給食費相当分を支給しています。また、4月の上旬には昼食の提供も計画しましたが、学校関係者に感染が認められ、中止をせざるをえなくなりました。こうした処置は適切だったと考えますが、その後に打つ手がなかったことは残念というほかありません。 世田谷区では、家庭へのアンケート調査での小5で約6%、中2で約8%が「食料を買えなかった経験がある」との回答を踏まえ、経済的な理由や保護者の病気などで昼食の用意が難しい子どもたちに弁当を配達することとし、休校で頼る先がなく困っている家庭の支援に乗り出したとのこと。 また、中野区では、就学援助を受けている家庭に昼食費相当額として500円を補助しています。給食費相当分の支給ということでは新宿区も変わりはありませんが、新宿区では1食あたり小学校1、2年生が247円、3、4年生は、263円、5、6年生は278円、中学生では324円の支給額となっており、これでは食材実費分にしかならず、満足な食事を摂れているとはとても言えない状況にあります。 そこで伺いますが、新宿区でもやむなく学校が長期休校となる際には、弁当の提供への変更を検討する、もしくは昼食を摂るに足る現実的な金額を支給するなど早急な対処が必要と考えます。教育委員会のご見解をお聞かせ下さい。     ④「複合災害について」質問します。 先月の非常事態宣言下にあった中、昼夜を問わず、けたたましく鳴る緊急地震速報に度々肝を冷やした方がこちらにも多くいらっしゃるのではないでしょうか。地震に限らず、水害、風害など災害は忘れぬうちに次々とやってくるということがここ数年の状況です。そして、避難を要する災害が今現在、区民に降りかかってきても全く不思議ではありません。 現在でも新型コロナウイルス感染症対策に各行政機能が追われる中、もしそうした災害が起きたらと想像しますと小康状態にある今の時分に十分な備えをする必要があるものと考えます。そこでいくつか質問します。   まず、「災害発生時の避難所の運営について」伺います。 大きな震災や台風などによる風水害が発生した場合、新宿区では避難所開設・運営方針に従い、学校等の施設が開放され、避難所が設置されることとなります。そもそもの避難所を利用する想定人数について、これまで計算の甘さを指摘してきましたが、そうした想定人数であったとしても各避難所が3密状態に陥ることは間違いありません。 そうした状況を想定しますと、早急に予備避難所の整備を進めておく必要があります。そうした避難環境の整備には、備蓄などにおける困難性が予想されるほか、避難所運営管理協議会をはじめとした関係団体や消防団、自治防災組織への周知も迅速に行っておく必要もあり、計画やマニュアルを更新する作業は待ったなしの状況です。 新型インフルエンザなど感染症の流行時などを想定し作成された計画では、感染した者及び感染の疑いのある者を個室や個別のスペースにて収容する方針とのことでしたが、今回の新型コロナウイルスのようなケースでは対応が難しく、感染力や症状の重篤性などを加味した上で、段階的に運用が可能な新たな方針を打ち出す必要があるものと考えますが、区のご見解を伺います。   次に、「事前にできる避難への備えについて」伺います。 コロナ禍での各種報道では、複合災害を特集するものも多く、「なるほど」と私も改めて学習する機会を得ることとなりました。そこで、防災システム研究所の山村所長は「こうした状況下で災害に遭い、避難所を設置するような事態となると避難生活が長期化するとの予測がある」とおっしゃられていました。避難所などでは、靴底対策やトイレなどの環境衛生強化での感染拡大防止策など特殊事項も多く、一朝一夕に現場で対応するのは不可能とのこと。その上で、対策の一つとして在宅避難について解説がありました。 繰り返しますが、いつ、どのような災害に見舞われるか分からない現状、予測される状況を丁寧に説明した上、改めて各家庭や区民ひとり一人に在宅避難への備えや避難生活のあり方などを周知しておく必要があります。無駄に危険をあおれとは申しませんが、必要な取り組みを早急に行うべきと考えますが、区のご見解を伺います。   最後に、「医療救護所の運営について」伺います。 避難を要する大きな災害に見舞われた際では、区内10か所において医療救護所が設置をされ、新宿区医師会の協力のもと医療救護活動が開始されることとなっています。 しかし、現在のコロナ禍における状況では、その対応に追われる医師会に医療救護所への十分な協力は望めるべくもなく、そうした最悪の状況を想定した上で、急ぎ別途の対応を検討する必要があります。課題解決として、中心的な医療救護所の設置を検討していくほかなく、大きな病院との提携などに解決の光を求めることが肝要と考えますが、区はどのような方策をお考えか、お聞かせ下さい。    

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