地方財政セミナー

2024年02月02日

本日は、「2024年度地方財政セミナー」にオンラインで参加しました。

毎年この時期、恒例の勉強会ですが、中身がハードでいつも頭から煙の出る思いです。

 

まず、NPO法人市民ガバナンスネットワーク理事長の兼村高文氏「「住民参加型予算がもたらすもの~杉並区の取組みを参考に~」の講演です。

参加型予算編成は、市民が政策決定に直接関与するプログラムで市民に予算過程を理解してもらい代表民主制を補うための仕組みとの説明がありました。

こうした制度の成り立ちや導入した海外の例が紹介され、杉並区の「皆さんとつくる予算」の解説がなされました。

導入の効果が語られた上で、代表民主主義(議会制度)との兼ね合いなどに課題があるとのことで、今後は調和をどのように進めるかが重要と講演は締めくくられました。

 

次に、総務省自治財政局財政課長の新田一郎氏の講演「2024年度地方財政の姿」を聴きました。

まず、災害における諸々の財政についてのお話がありました。

地方財政収支での、人件費だけで0.5兆円も膨らんだことや地方一般財源の総額について細かく説明があり、財政計画のポイントが語られました。

コロナにまつわる臨時交付金がなくなった後に地方財政運用の硬直化が進む懸念があること、地方交付税を積み上げるカラクリ、地方財政の借入金残高の状況などが説明された後、地方財政対策の詳細について細かく解説がなされました。

 

次は、地方自治総研の飛田氏から「地方財政分析講座-財政資料の活用方法-」の講演です。

議会で使える基本的資料として決算カードと財政状況資料集の活用の仕方についての説明から始まり、地方財政の構造や財政指標など決算データを絞ってみる3つポイントについてお話がありました。

実際の自治体のデータと照らし合わせての解説はとても分かりやすく、最後に「議員が財政に詳しいと、当局から提供される情報・資料がより有力なものになる傾向があります。また会派を超えて頼られる存在にもなる可能性があります。」、「コロナ禍を経て財政が大きく変動しており、無駄な事業が行われている可能性があります。少なくともここ数年は財政分析が必須です。」と効果や必要性が語られて講演は締めくくられました。

 

続いて、地方自治総研の其田氏から「今後の地財展望」についての話がありました。

対費用で物価高を見ているとの話など、本日の講演の振り返りをしながら、各自治体での財政の考え方について意見が語られて、セミナーは締めくくられました。

 

本日の講演全てが非常にためになるもので、これから予算議会でもある第一回定例会が始まり、財源や予算について、質疑が続きますので、十分に参考にさせてもらおうと思います。

がっちり6時間、それぞれ難しい講演でしたが、定例会を前に頭を鍛え直す良い機会となりました。

 

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