委員会 地方視察

2019年11月08日

  11月6日から8日にかけて、文教子ども家庭委員会の地方視察に出ていました。   6日は広島市に赴き、児童相談所の運営について、お話を伺いました。   新宿区では2021年を目処に、児童相談所の開設を目指していましたが、人材確保がままならず、3年程度の開設延期となりました。   そうしたことから、説明後の質疑応答では、職員の確保や育成などの質問が多く出ていましたが、やはりこの課題の解決は一朝一夕にはいかないようです。   また、広島市では早い時期から弁護士を常駐させる取り組みをしており、その効果などについて説明を聴くと、様々なケースに対応していくためには、分業化が重要だと分かります。   そして、ここ数年で職員の配置も進んできたとのことで、ほぼ専門職での布陣となり、行政職は数えるほどとなっているようです。   政令指定都市ならではの部分もありましたが、児童相談所や一時保護所の設置へ向けて、貴重な意見を伺うことができました。     視察を16時に終え、平和記念資料館を参観しました。   言葉を失うような写真の数々、被害を受けた当時の物品や建物の一部などが展示されており、「戦争や核兵器の恐ろしさ」を十分に考えさせられます。   小さな子どもを育てている最中とのこともあり、被害に遭った同じぐらいの子どもの遺品や手紙につい目が止まり、その度ごとに胸が詰まります。   「この世から核兵器を廃絶しなければならない」との思いを改めて強く持ちました。   公園や資料館、原爆ドームも海外の方々が多く、皆さん神妙な面持ちです。   こちらでの見聞で、改めて平和の大切さを考え、行動するきっかけとなればと思います。     7日は、福山市へ移動し、福山市立城東中学校で不登校対策の取り組みについて、お話を伺いました。   こちらの学校では、きらりルームという支援教室を設置し、不登校になってしまった生徒をサポートし、長期欠席者ゼロへの取り組みを進めています。   こうした施策を進めていくにあたり、これまでの考え方から180度の転回を余儀なくされる「学校に戻さなくても良い」を現場に根付かせるために、教育委員会と現場では相当にやりあったようです。   その甲斐あって、意識改革が進み、居場所づくりから始めることの重要性が共有されているのが、現場の空気で分かります。   また、こちらではフリースクールとの連携も進んでおり、教育委員会は全てのスクールを訪ね、出席扱いとするためのガイドラインを策定しています。   私の「学校、教育委員会、フリースクールの三者で構成される協議会の設置は?」「フリースクール同士のネットワークづくりに市はどのように関わるのか?」などの質問に、「丁度いま、それに取り掛かっているところです。」とのお答え。   「そうした指摘に背中を押され、更に上積みを重ねていく。」と、担当課長の熱く語られている姿に、施策の方向性が確かなものだとの自信が感じ取れます。   年々増加傾向にある不登校について、新宿区も見習うべき点が多くあることを、改めて知ることができた視察となりました。     視察後は、電車に乗るまで少々時間があったので、福山駅横の福山城を見に行きました。   時間がなく、天守閣には上がれませんでしたが、本丸周辺をぐるりと見て回ることができたので、西方の押さえとなる東軍のお城だった堅牢さは十分に感じることができました。     8日は、香川県高松に場所を移し、香川県庁にて(児童・生徒の)ゲーム・ネット依存対策について、お話を伺いました。   ネットやスマホなどに依存する児童・生徒の割合が14%を越えるとの調査結果もある中、そうしたものを上手に活用するために、どのように指導していくかが教育現場で問われています。   また、こうしたツールとの向き合い方には、不登校や引きこもり、いじめなどの問題にも大きく関わりがあることが認められているので、そうした問題解決のためにも、素早い対応が全国的な課題となっています。   学校と子ども、保護者が一体でスマホの活用について、ルール作りをしたり、横須賀のゲーム依存症を専門とする医師を毎月呼んで講演や研修を行うなど、香川県ではスマホやゲーム依存を大きな問題と捉え、県をあげて先進的な取り組みをしています。   また、乳幼児へのスマホ育児の影響などもパンフレットを作成し、保護者へ配布するなど、川上からの危機意識啓発も抜かりなく行っているとのことで、とても勉強になります。   近々、条例化にも意欲をもっているとのことですので、どのようなものなるのか、今後の香川県の取り組みには注目です。   私からは、「eスポーツやプロゲーマーなどがニュースなどでクローズアップされているが、そうしたことに子どもが影響を受け、ゲーム依存症が進む可能性もある。教育現場でどのようにそうした動きと折り合うか、何か用意はあるか?」と質問しました。   「まだ、部活の申請などはないが、そうしたことへの対応も考えていかなければならない。」とのお答え。   日進月歩、そうした流れの早い事案なだけに、次から次に現れる課題に頭をかかえるのは、どこの自治体も一緒のようです。   文科省がスマホの携帯を容認するとの新聞記事を以前読みました。 こうした問題は早めに手を打たなければ、更に深刻化しますので、新宿区もしっかりとした対策を考えておかなければなりません。   お昼に視察が終了。     現地での解散となったので、せっかく香川にきたのだからと「こんぴら参り」のため、琴平に向かいました。   「こんぴらさんの石段はきつい」との噂は聞いていましたが、大丈夫だろうと「こんぴらふねふね、しゅらしゅしゅしゅー」と鼻歌まじりに登坂を開始。   石段…、甘く見ていました。   中盤の書院あたりで心が折れそうになりましたが、あと一歩、あと一段と頑張って、何とか御本宮まで完登。   お参りをした後、子どもにお守りを買って下向路へ。   行きは良い良い…疲れた脚に下りはきつい。   膝の大爆笑に、日頃の運動不足を痛感です。   無事に下山できましたが、明日は間違いなくロボットみたいな動きとなりそうです。    

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