予算委員会(3/16)

2022年03月16日

本日は、10時から予算特別委員会が開かれました。   予算委員会も最終日となり、各出席会派からのしめくくり質疑が行なわれました。   私は、11時30分から昼食休憩を挟んで、13時24分の計38分間、質問に立ちました。   「ドローンの検証実験について」、「学童保育のコロナ禍対策について」、「公立校の教員不足について」、「教職員の長時間労働と負担軽減について」、質問しました。 (質問は以下、全文掲載)   議案への質疑が全て終わり、各出席会派の討論となり、私が会派の意見を述べました。 (討論は質問全文以下に掲載)   採決となり、私たち立憲民主党・無所属クラブは修正案以外の全てに賛成。   18時を前に全ての議事を終え、2週間に渡って開かれた予算委員会は散会となりました。     =しめくくり質疑= 「ドローンの検証実験について」 昨年9月に航空法が改正となり、ドローンをロープでつないで、立ち入りを制限すれば、夜間や人の集まるところでも、飛行できるようになりました。また、国は2022年度中に人がいる場所で、操縦者が機体を目視できない状態での飛行の実現を目指しています。 そうした中、人や建物が密集した都市部でドローンを安全に飛ばすことができるかを検証するため、お隣の中野区と国立開発研究法人「建築研究所」が協働で中野サンプラザや区役所を使っての公開実験が行われました。この実験は、ビルの点検作業を想定したもので、増加する高層住宅の外壁点検などへの活用が期待されています。ちなみに、都市部ではこの15年間で15階以上の高層住宅は3倍以上に増えています。実験から得られたデータなどは、区と研究所で共有され、今後のドローン活用の一歩となる訳です。   Q:新宿区でも、高層住宅の点検作業などはもとより、様々な場面で需要が見込めるドローンの活用ですが、このような実証実験などの協力について、どのようにお考えか、お聞かせください。   (答弁を受けて) 企業や団体で、このような実証実験の要望は多くあると聞きます。そうした機を捉え、データや経験を積み重ねることで、他自治体より先んじたドローン活用の道も開けるものと考えます。中野区のような取り組みのご検討もお願いします。   「学童保育のコロナ禍対策について」 第6波でコロナウイルスの感染が子どもにも広がり、保育園をはじめ幼稚園、小中学校もその対応に追われています。同様に、親が働く学童保育も感染への不安から緊張の日々が続いているとのこと。 特に、学童保育では学校のようにクラス分けがなされておらず、定員一杯のところも多く、そもそも密が形成されやすい状況にあり、更なる危機管理が必要となるようです。   Q:指導員の検査体制はどのようになっているのか、(保育施設同様に週1回の都からの検査キット配布はされているのか)、お聞かせください。   Q:指導員への3回目接種は、保育施設の職員同様に優先的に行われているのか、お聞かせください。   (答弁を受けて) 小学校で感染防止を徹底しても、学童保育でおろそかになってしまっていては、感染拡大を防ぐには至りません。こちらでの対策もしっかり行い、利用者、保護者が安心できる環境を整えることに努めていただくよう要望します。   「公立校の教員不足について」 教職員が足りず、学校に本来配置されるはずの人数が満たされない状況が、全国の小中学校などの4.8%にのぼると文部科学省から発表がありました。そうした教職員不足の学校では、担任などを管理職が代理で務める事態も起きており、その背景には休業・休職者の増加や特別支援学級数の増加、教職員志望者の減少があるとされています。休業・休職した正規教員に代わるフルタイムの臨時的任用教員や非常勤講師を雇っても足りない状況が続いているとのこと。幸いに、東京都はこうした事態には陥っていないとの報告でしたが、ギリギリの状況とのことですので、再度の感染爆発などが起きた際は、いつ教職員不足になってもおかしくありません。 また、こうした事態に陥った際、教職員OBにお願いし、代打を担ってもらうケースもあるようですが、新たな指導科目や指導要綱、ICT化などになじめず、結局は児童生徒に不利益が生じることもあるとのことです。   Q:文科省の発表は、昨年のデータに基づいたものですが、最近ですとオミクロン株の流行で陽性者にならずとも濃厚接触者として、自宅待機をせざる得なくなり、業務に就けない状況も多いとの報告もされています。現在の新宿区では、このような教員不足の状況の有無について、お聞かせください。   Q:こうした緊急的な状況の解決にあたり、人事に関しては、東京都ということですが、区としても何らかの対応が求められるものと思いますが、どのような対処をお考えか、お聞かせください。   Q:コロナ禍以前より、教職員の精神疾患による休職者数が高止まりしていることが問題としてあげられてきました。そして、報道などによれば、コロナ禍の影響が長く続いてることにより、非常に長い間ストレス下にさらされ、状況が悪化しているとのことですが、新宿区の休職者の状況をお聞かせください。また、そうした休職者や1カ月以上の病気休暇取得者のうち、20代の割合が一番多く、次いで30代が続いているとのことですが、併せて年代別の状況もお伺いします。   Q:以前、私は「メンタル面でのケア関して何らかのサポートをつけるべきと考えますが」と質問したところ、「状況を把握している副校長に、職員に対するメンタルのサポートやそういった視点を持ってもらうという研修を毎年実施しています」とのお答えでした。 有識者からは、教職員のメンタルヘルスについて心配をする声が多くあがっており、①コロナ禍による不安とストレスが大きいこと、②コロナ以前よりも児童生徒へのケアの難易度、複雑さが増している影響、③本来業務である授業やその準備に集中しにくい環境などが理由として、負担が増していると聞きます。多忙な教育現場に逆戻りするとの指摘もされる中、教職員のメンタルケアについて、改めてどのような対策をお考えか、伺います。   Q:20~30代の休職者が多いことについて、ベテランの大量退職により若手にも重要な仕事が任されたことやコロナ禍で急速に進んだデジタル化により、ベテラン世代が新しい機器や技術になじめず、しわ寄せが若手にいってしまったこととする検証がなされています。相談先の確保はもとより、若い世代が活用しやすい相談方法の工夫も必要と考えますがご見解を伺います。   (答弁を受けて) 教職員が疲弊し、痛むと児童生徒への学びや教育にダイレクトに影響が出ます。そうした点からも万全の体制を整えることは影響が顕在化する前の喫緊の課題と考えます。どうぞ各学校任せだけにすることなく、教育委員会の方でも十分な手だて、配慮をお願いします。   「教職員の長時間労働と負担軽減について」 教職員がうつなどの精神疾患により休職する原因の一つとして、長時間労働が挙げられます。区では、タイムレコーダーを導入し、勤務時間を把握することで勤務時間が著しく超過する教員へ指導するなど、各学校で改善への取り組みがなされています。 いじめやSNS上の不適切なやりとりや子どもの貧困など新たな生活指導上の課題が生じたことや社会から説明責任を求められ、関係先への情報提供や学校評価の作成などの作業も増えたことなどが、長時間労働の背景とされており、そうした変化に見合った増員がなされていないことが原因です。有識者からは、小学校では登校から下校まで授業以外の仕事ができず、残業につながっているとの指摘がされており、授業の受け持ち時間の削減や教科担任制の拡大が必要とのこと。   Q:4月から小学校で教科担任制がスタートします。基本的には、小学校5、6年生は、英語と理科、算数、体育で専門の教員が教えることになるとのことですが、区ではどの教科でどのぐらいのコマ数を教科担任が教えることになるのか、ご教示ください。   Q:教科担任制を実施していくにあたり、教員数は足りているのか、お聞かせください。   適正な教職員数についての議論は、区では解決できる話ではありませんのでここではいたしませんが、教職員の負担軽減に効果があるとされる教育業務支援員について伺います。   Q:現在、区では何名の教育業務支援員(スクール・サポート・スタッフ=SSS)が、どのように配置され、どのような業務に就いているか、またその効果をどのようにみているか、お聞かせください。   Q:文科省の見立てでは、教育業務支援員が配置された学校では、教員一人当たりの労働時間が週2.45時間減ったとのこと。教員業務支援員は、昨年8月に学校教育法施行規則の改正で法的に制度化され、学習プリントや家庭への配布文書の作成、採点業務の補助、来客・電話の対応などにあたることができます。教員以外でもできる仕事を振り分けることで、教員が本来の「教員の仕事」に目を向ける効果が認められ、年々、増員されている状況ですが、現場からの教育業務支援員のニーズは大きいと聞いています。そうした課題解決として、国や都からの補助増加を待つののみでなく、区独自での増員も考える必要があるものと思いますが、ご見解を伺います。   区は、部活動指導員を配置し、児童・生徒の部活動等の充実を支援するとして、都支出金なども活用しながら、(部活動指導員の配置=13名、部活動指導員の研修10校)取り組みを進めています。これは、部活動指導員の導入・活用による教員の負担軽減についてとの取り組みですが、「校務処理や生徒指導等をする時間が増えた」、「退校時間が早まった」、「土日に休みを取りやすくなった」など、教員の働き方の改善が図られ、専門的指導により、生徒の部活動に対する意欲向上や技能の向上といったプラスの効果も認められたとのこと。   Q:一方、部活動指導員導入後の課題としては、「部活動の種目・勤務時間などが学校の要望に合わない」、「個人的事情により離職した後の補充が難しい」といった、安定的・継続的に人材を確保することが課題とされていましたが、(大学などにも足を運んで探している)幅広く公募をかけているとのこと。部活動指導員の安定的な人材確保や定着の難しさについての課題解決にあたり、部活動支援室による取り組みがなされています。部活動支援室では、豊富な指導経験のある部活動指導員等を配置し、部活動の指導はもとより、経験の浅い部活動指導員への指導・助言、部活動指導に関する研修の企画・運営、各校との連絡調整など、広く部活動を支援していますが、効果をどのようにみているか、ご見解を伺います。   Q:「教員の勤務環境の改善・働き方改革PT会議」内に「地域部活動検討部会」を設置し、今後の部活動の運営の在り方について検討を行なうとのこと。令和4年度までに調査・研究を行い、区のスポーツ環境を支える横断的な組織である「スポーツ環境会議」とも連携し、課題の共有を進めていく予定とのお話ですが、今予算付などに向けて、どのような議論がなされたのか、ご教示ください。   教員の働き方改革の中に「地域部活動」と呼ばれ、地域の人材に部活動の指導を任せることで教員の負担を減らそうという取り組みがあります。他の自治体などでは、地域で様々なスポーツイベントを催すスポーツクラブに委託し、運動部系の休日の活動を指導してもらうなどしているようです。この方式ですと、顧問となっている教員で、休日も指導にあたることを希望した方は、立場が教員からスポーツクラブのコーチと変わり、クラブから報酬を受け取ることができるとのこと。また、スポーツクラブの指導者は専門性も高く、しっかり競技に取り組みたい子どもには大きなメリットともなるようです。逆に、平日と休日の指導者の入れ替わりは、専門性の高いコーチにばかり目が向き、顧問の影響力が低下することなどが懸念されるほか、外部コーチの勝利至上主義や競技力の強化に偏りすぎる指導などにも注意が必要とのこと。また、ここでは休日の引率には、教員(顧問)の同行が必要とのことですので、そうした課題のクリアについても議論しなければなりません。スポーツ庁では、こうした各地で行われている先行事例を今年度中に総括し、来年度以降の取り組みに繋げていく考えとのこと。   Q:こうした平日と休日を分けて指導していく方法も取り組みとして考えられると思いますが、区のお考えをお聞かせください。   また、お隣の渋谷区では、休日に外部指導員を招き、区立の全中学校が合同で部活動をする新たな取り組みをスタートさせました。教員の負担軽減の狙いもありますが、部員が少なく思うように活動できない部活や通う学校に希望の部活がないなどの課題解決に向けた取り組みとのこと。この取り組みは、将棋やボウリング、ダンス、パソコンなどの部活で実施され、ボウリングや将棋では、地域ゆかりのプロが指導にあたったとのこと。   Q:区も、こうした地域資源への積極的に要請や依頼をしていくことを検討されたらいかがでしょうか、ご見解を伺います。     =討論= 立憲民主党・無所属クラブの小野裕次郎です。 これより当委員会に付託されました第1号議案から第4号議案、並びに第27、28号議案、そして第1号議案に対する修正案について討論致します。 区は、令和4年度予算編成の基本方針を「新型コロナウイルス感染症が及ぼす社会情勢の動向に柔軟に対応し、感染症収束後も視野に入れ、安全で安心な区民生活を支えるとともに第二次実行計画の着実な推進を目指す予算」と位置づけられました。 新型コロナウイルス感染の収束への見通しが立たぬ状況が続き、区民には長期に渡って不自由で制約のある生活が強いられています。また、税収が増えたことだけで社会情勢を捉えることなく、困窮者が増えたこと、すなわち格差が拡大していること自体を問題とし、課題解決を図る予算が求められています。 感染症拡大の影響などにより、本区の歳出総額は大幅に増える中、歳入は社会経済情勢の影響を大きく受け、供給面での制約や原材料価格の動向による下振れリスクなど景気への影響と併せて、財政運営は極めて先行き不透明であります。加えて、ふるさと納税や法人住民税の一部国税化による国の不合理な税制改正などが区財政に大きな影響を及ぼすこともあり、引き続き厳しい財政運営が求められるとの判断については、私どもと認識を同じとするところであります。 そのような中、私どもは、「現在のコロナ禍において、限られた財源を区民に寄り添い、その想いを的確に捉え、施策を展開しているのか、高齢者や障害者の方々などへの配慮ある施策が展開されているのか、また受益者負担や世代間の公平性において、バランスがとれた施策が行われているのか」という視点で質疑をさせていただきました。 具体的には、コロナ禍での中小企業や商店への支援について、高齢者への3回目接種やこどもへのワクチン接種について、高齢者のフレイル予防について、保育行政における感染症対策について、公立学校の教室不足や教員の働き方について、国や東京都による税制改正や都区財政調整制度における現行制度の早急な見直しについてなど、質問とともに意見や提案もさせていただきました。これらのことを今後の区政運営に活かしていただくよう強く要望し、第1号議案から第4号議案、並びに第27、28号議案までの各会計歳入歳出予算に賛成致します。 また、第1号議案の修正案に関しては、趣旨に賛同出来るものもありますが、今後、財政など十分な議論が必要であるということから反対いたします。    

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