地方都市視察

2022年08月31日

  29日から30日にかけて1泊2日で、防災等安全対策特別委員会の地方都市視察で熊本、鹿児島と2県に伺い、視察をしてきました。   29日は、熊本市で「熊本地震後の対策及び震災の記憶の継承について」、熊本城の復旧工事などの現場を見ながら、現況の説明を聴き、今後の課題などを伺いました。   熊本市は、平成28年の地震により、熊本城をはじめ市内各所で甚大な被害を受けました。   ランドマークとなる熊本城の復旧に国県市、そして市民が一丸になって取り組んでいます。   史跡の復旧の難しさは、復旧整備完了まで約20年かかることや50億円を超える費用からも分かります。   事前に質問していた「発災時の連絡ツールでの有用性について」では、Lアラート(災害情報共有システム)、災害情報メール、緊急告知ラジオ、市ホームページなどで広報・周知を行ったとのこと。   また、「物流交通網と自衛隊支援の実施までの流れ」や「非常用電源の活用」について、時系列を追いながらの説明をもらいました。   「地震後の地域防災で変わった点」では、市民、地域、行政のそれぞれの役割が確認され、的確な行動がとれるように災害対応力が強化され、防災意識の高揚が図られたようです。   学校や高齢者施設での対策など、被災経験から細かな点への整備も進み、現在は避難行動要支援者避難支援制度の仕組みづくりが検討されているとのことでした。   発災から6年目を迎え、記憶の風化を防ぎ、震災の記憶を継承するため、VR等を活用した体験型学習を導入するなど防災教育を推進していると説明を受けました。   各所各所での役割分担や防災における自助・共助・公助の重要性が、被災経験を基に説明され、改めて果たすべき責任などを知る視察となりました。   「加藤清正が7年で作った城を、我々は20年かけて直している」との担当職員の方の冗談が印象的でした。     30日は、鹿児島市で「降灰対策を含む総合的な火山対策について」お話を伺いました。   先日も報道されていましたが、鹿児島市では日常的に桜島が噴火し、まさに噴火と共に暮らしてきた経緯があります。   半世紀にわたり、避難や降灰対策など噴火にまつわる取り組みや防災教育がなされており、現在では「火山防災トップシティ構想」を打ち出し、火山防災スペシャリストの育成などに力を入れ、火山国際会議をはじめ世界でもこの分野ではリーダーシップを発揮しています。   避難指示のあり方や避難計画について、説明を受け、消防団などの全戸訪問の体制や避難先の事前設定など、こちらの質問にお答えいただきました。   避難行動要支援者を含む全島避難訓練、避難用家族カードや避難完了板の活用など、避難やその後の効率的な活動について、新宿区でも十分に参考となるお話も伺いました。   他では、「降灰の交通への影響」、「噴火による機器への影響」、「降灰の処理と市民の協力体制、その予算」など、幅広く質疑がなされました。   火山灰の健康被害はないとのことですが、噴火による観光への風評被害については、いつも頭を痛めているとのこと。   新宿区では、火山活動での被害はあまり現実的ではありませんが、避難計画やそれを実施しうる体制の整備など、十分に学ぶ点も多くありました。  

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